イエスの教育と政治

 キリスト教徒の指導者としてのイエスを政治家と捉える向きもある。

 指導者というといかにも人々の先頭に立って、あるいは人々の中心にあって人々に指図していたように受け取りがちだが、そうした指導者像とイエスの活動は必ずしも一致しない。

 実在の人物としてのイエスがどんな思想を持ち、どんな活動を行ったのかについては確たる定説が無い。(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)但し、総じてイエスが人々に説いて回った思想の根幹に「救済」もしくは「魂の救済」という概念があることではかなりの記述で一致しており、これは扇動的な政治指導者による統治よりも哲学的な思想家による教育を連想させる。
 従ってイエスは政治家よりも教育者に近い宗教家であったと定義できそうだ。
 今日世界中に広まっているキリスト教の教義のどれほどが、イエスの説いた思想に沿ったものであるのかを知る術はないが、かくも多くの人の信仰を集める教義の核となる発想を、まだ哲学の黎明期に当たる紀元1世紀という時代に、たった一人の思想家が考えたのだとしたら、イエスという思想家は人間という存在を、どれほど普遍的かつ根源的に把握していたのだろうか。その思索の深さは驚嘆に値する。
 又、既に検証すべくもないイエスの教育というものがいかに本質的で感動的であったかは、思うに及ばない。