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知的財産教育

概要

知的財産と言った場合、知的財産権を指す場合と、個人が得る知識を指す場合で扱う分野が大きく異なる。前者は法律及び経済の分野に属する主題であり、後者は人材教育分野に属する主題である。通常は前者を指して使うものであり、前者の扱う範囲も広範囲にわたるため、後者の定義はここでは含まない。

又、知的財産の歴史を遡る教育は無形財産の所有の考え方の変遷や、知的財産権のあり方が世界の産業や文化に与えたインパクトをひも解くものであり、現在の知的財産権の形成を知る上で重要な主題である為、ここで扱う知的財産教育の2次的な主題と認識する。

知的財産権の定義は国によって定義や範囲が、違っており、教育の目的によってその扱う範囲は大きく違う。 但し、根源において、知的な活動を必要とする労働の成果に対し、労働者の権利を保護するという目的は同じである。

知的財産の分類

知的財産に関する教育の大部分は特許権とそれに類する権利に関するものであり、日本では下記のような権利を含み、それぞれ特徴がある。(細かい特徴は国によっても異なる)

特許権主に新しい発明に関して、その内容を公表することによって、申請者にその発明の製品化に関する独占権を一定期間与えるものであり、知的財産権の中核をなすものと言える。パテント。
実用新案権:新しい発明に関して、その内容を公表することによって、申請者にその発明の製品化に関する独占権を一定期間与えるもの。特許権によく似ているが、一般に審査が何かしらの形で簡素化されている代わりに独占権が与えられる期間が短い。英語ではユーティリティモデル(utility model)と言い、日本語の実用新案はドイツ語のゲブラウスムスター(Gebrauchsmuster)の訳語と思われる。
著作権:著作物の最初の著者に対して、その著作物の利用の独占権を一定期間与えるもの。コピーライトと言われるように、原則として著作物をコピーする権利を想定して考え出された。
商標権:ある商品や商品群が、他の商品群とは違う、独自の個人、もしくは組織によって生産されたものであることを示す権利。登録商標(R)と登録されていないただの商標(TM)がある。商標権は他の知的財産権と大きく違い、通常独占権が与えられる期間が定められない。
意匠権:独創的で美的な意匠に対して、その意匠の登録者に対して意匠の利用の独占権を一定期間与えるもの。国際的にはまだあまり認知されていない権利。
育成者権:植物の新たな品種を育成者が、その品種の商用利用の独占権を一定期間保障されるもの。知的財産と分類される場合と、無形財産と分類される場合がある。又、ある品種から別のバリエーションが発生する場合があり、これを新種と認定するか、同一の育成者権を認めるかの解釈にも差がある。

知的財産権に関する国際機関であるWIPOでは他にも工業デザイン(Industrial Designs)、原産地表示を保護する地理的表示(Geographical Indications)や伝統的知識(Traditional Knowledge)なども知的財産権に含んでいる。 但し、伝統的知識を知的財産権として保護する制度については現在議論が進められている問題。

知的財産権は権利者を保護するという意味の他に、新たな発明・発見を促進し、その知識を共有するという意味があり、このバランスの認識差が国別の法定義の違いに表れている。知的財産教育において、その国の法規がそれぞれの知的財産権をどのように定めているのかを知ることと同時に、それぞれの規定がどのように成立したのかを明らかにすることは大変重大な意義がある。